R学習(4):国土数値情報を用いた観光資源データの可視化
今回は、国土数値情報ダウンロードサービスで公開されているデータを利用して地図データの可視化を行います。
国土数値情報は、国土計画の策定や実施の支援のために整備されたもので、無償で国土交通省 国土政策局 国土情報課が提供しています。提供データは5分類に分けられ、それぞれ「1. 国土(水・土地)」、「2. 政策区域」、「3. 地域」、「4. 交通」、「5. 各種統計」に関するデータが提供されています。
今回は、「3. 地域」に関するデータの中から観光資源データを利用して、沖縄県の観光資源マップを作成します。
まずは、国土数値情報の観光資源データページにアクセスして、沖縄県のデータを選択・ダウンロードします。
ダウンロードを終えたら、パッケージの読み込み、そしてデータを読み込んでいきます。ダウンロードしたデータには、面データ、線データ、点データの3つのシェープファイルがありますので、それぞれのデータを読み込みます。データの読み込み時、options引数に"ENCODING="を指定します。データの文字コードがShift_JISなのでCP932を指定します。
#パッケージの読み込み library(sf) library(dplyr) library(readr) #データの読み込み tb_resource_point <- st_read(dsn = "shape_tour_okinawa/P12a-14_47.shp", options = "ENCODING=CP932", stringsAsFactors = FALSE) tb_resource_line <- st_read(dsn = "shape_tour_okinawa/P12b-14_47.shp", options = "ENCODING=CP932", stringsAsFactors = FALSE) tb_resource_poly <- st_read(dsn = "shape_tour_okinawa/P12c-14_47.shp", options = "ENCODING=CP932", stringsAsFactors = FALSE)
読み込んだデータの内容を確認してみると、観光資源分類コード(P12_007)でマイナスになっているデータがあるので、すべてプラスにして、データ型を文字型(character)に修正していきます。
tb_resource_point$P12_007 <- abs(tb_resource_point$P12_007) %>% as.character() tb_resource_line$P12_007 <- abs(tb_resource_line$P12_007) %>% as.character() tb_resource_poly$P12_007 <- abs(tb_resource_poly$P12_007) %>% as.character()
データの修正を終えたら、次に空間座標系を設定します。測地系をJGD2011(EPSG6668)に設定します。
tb_resource_point <- st_set_crs(tb_resource_point, 6668) tb_resource_line <- st_set_crs(tb_resource_line, 6668) tb_resource_poly <- st_set_crs(tb_resource_poly, 6668)
インタラクティブな地図表現が可能な「mapviewパッケージ」を使って可視化してみます。
#mapviewのインストールと読み込み install.packages("mapview") library(mapview)
mapview()でデータと属性の入った列を指定することで、各観光資源データを地図上にプロットして可視化します。
mapview(tb_resource_point, zcol = "P12_002")+ mapview(tb_resource_line, zcol = "P12_002")+ mapview(tb_resource_poly, zcol = "P12_002")
実行すると以下のような地図ができ、ベースマップの変更、拡大縮小などの操作ができます。ここでは、ベースマップにオープンストリートマップを設定しています。
出典
国土交通省国土政策局「国土数値情報(観光資源データ)」をもとに筆者が編集・加工
今回、国土数値情報のデータを利用して観光資源マップを作成しました。地域別の資源分布なども分析してみたいですが、それはまた後日。
国土数値情報には他にも多様なデータがあるので活用していきたいです。今回は「mapviewパッケージ」を使ってみましたが、容易にインタラクティブな地図が作成できるので非常に便利ですね。今後、いろいろ試していきたいと思います。
参考資料